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足が遅いから運動イヤだな。そんな苦手意識のある小学生・中学生が、「足が速くなること」は可能なのでしょうか?学生時代に全国高校総体(インターハイ)や全国高校サッカー選手権に出場した経験を持ち、現在は理学療法士・パーソナルトレーナー・高校サッカー部トレーナーとして活動する、安藤 瑞樹さんに聞きました。足が遅くても、速くなることは可能ですか?「足は速くなれます。運動能力は遺伝の影響があるものの、約3割は環境や経験で変えられるからです(*)。フォームを整えて練習を続ければ、確実に前進できます。運動会で1位を取りたい、50m走のタイムを縮めたい、スポーツで活躍したい――そう思ったのなら、速く走るためのコツや必要な筋肉について理解し、トレーニングを積み重ね、昨日の自分より速くなることを目標にしましょう。努力を続けることは、自分自身への大きな自信にもつながりますよ」*順天堂大学大学院:アスリート必見! 運動能力と遺伝はどこまで関連するのか速く走るために必要な「4つの強化ポイント」速さをつくるには筋力だけでなく、体の使い方や姿勢の安定も欠かせません。特に意識したいのが次の4つです。体幹を強くする「体幹」とは、腹筋や背筋、骨盤まわりを中心とした胴体部分の筋肉の総称です。走るときに体幹が弱いと、着地の衝撃で上半身がブレてしまい、地面からの力をうまく前に伝えられません。逆に体幹が安定していれば、下半身で生み出した力を効率よく推進力に変えることができます。たとえば、同じ速さで足を動かしていても、体幹が安定していない子は「ふわふわ揺れる走り」になりがちです。一方で体幹が強い子は、ブレのないフォームでまっすぐ前に進めるため、少ないエネルギーでスピードを出せます。つまり、体幹は「力の伝達の通り道」であり、速さの土台になる部分なのです。反発力を高める地面に足をついたときに返ってくる力を「反発力」と呼びます。この反発力を素早く前進する力に変えることが重要です。足首やふくらはぎが弱いと反発をうまく使えず、接地時間が長くなってスピードが上がりにくくなります。