第586回:対話型AIから思ったようなアウトプットが出ないときに中小企業がおさえるべき「力」
19 February 2026

第586回:対話型AIから思ったようなアウトプットが出ないときに中小企業がおさえるべき「力」

Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」

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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。


このPodcastで得られること(要点)

対話型AIを使っているのに、思い通りの結果が返ってこない。そんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。


そんな時、プロンプトの書き方やAIの仕組みを学ぶことも大切ですが、それ以上に差を生むのは「国語力」とも呼べる2つの能力です。


1つは、頭の中のイメージを具体的な言葉に落とし込む力。もう1つは、相手に合わせて伝え方を柔軟に変える力です。この2つを日常的に鍛えるだけで、AIのアウトプットは変わります。



AIのアウトプットに満足できない原因はどこにあるのか

AIの進化は目覚ましいものがありますが、実際に使ってみると「凡庸な結果しか返ってこない」「何を変えればいいかわからない」という声は多いです。うまくいっていない方のプロンプトを見ると、ぼんやりした指示になっていることが少なくありません。


たとえば文章の作成であれば「わかりやすいテキスト記事にして」、デザインであれば「みんなにわかりやすいA4版のものにしてください」という程度の粒度では、AIもぼんやりした結果を返すしかありません。


もっと具体的に書こうとしても何を書けばいいかわからない、あるいは書いてみたけど意図が伝わっていない——こうした壁に当たっている方は本当に多い印象です。


AIを使いこなすために必要な2つの力

AIのアウトプットを改善するアプローチは多くありますが、今回はプロンプトのテクニックやプログラミングの話から少し離れて、もっと根っこにある「2つの言語的な能力」に焦点を当てます。


G検定のようなAI関連の資格試験で体系的な知識を学ぶことも有意義ですが、現場の実感としては知識だけで大きな変化にはつながりにくい。


それよりも、AIに対して的確な指示を出し、返ってきた結果を正確に解釈し、自分の求めるものに近づけるよう対話を繰り返す力のほうが、差を生みます。


2つの力を鍛える方法
頭の中のイメージを具体的に言語化する力

まず「頭の中のもやもやを形にする力」の鍛え方です。日記や日誌を書くことが有効で、手書きでなくキーボードやスマホでも構いません。


何があって、どうなったのかを文章にまとめる積み重ねが力になります。


ただし日記は個人的な感情が入りがちで、他人に見せにくくなります。添削してもらうと伸びがまったく違うので、代わりにおすすめなのがニュースを題材にする方法です。


あるニュースの背景や意味を、なるべく具体的な粒度でまとめていく。学生時代にノートを作る感覚で取り組むと、言語化の力がぐんと伸びます。


もっと気軽にできるトレーニングもあります。


街を歩いていて「いいな」「面白いな」と感じたら、なぜそう思ったかを掘り下げ、誰かに伝えられるレベルまで具体化してメモに残す。こうした小さな積み重ねで、とっさに自分の感情や周囲の変化を言語化できるようになります。


相手に合わせて伝え方を変える力

この力を鍛えるには、何かを教える場を持つのが一番です。


社内発表会を定期的に開催し、持ち前で発表する機会を作ることをおすすめしています。生身の人間を相手に、理解度を確認しながら伝える練習は、得るものが大きいです。


ただ、小学生や高齢の方に教える機会を日常的に作るのは難しい。そこで活用したいのがAIのロールプレイ機能です。


「こういう属性の人に伝わるかチェックしたい」と設定し、AIにその人物を演じてもらう。たとえば小学校低学年の子にAIの話をわかりやすく伝えられるか、シミュレーションしてもらうだけでも効果があります。


自社のお客さまの属性に合わせて設定を変え、対話を繰り返していくと「この言い回しは伝わらない」「この切り口は響く」という発見があります。


シミュレーションの精度はモデルに依存しますが、やらないのとでは大きな差が出ます。


AIを「練習相手」として活用する

トレーニングの相手としてもAIは優秀です。自分が抽象的に考えていることをAIと一緒に解きほぐすワークもおすすめです。


わざと漠然としたことを書き、そこから具体的に落とし込むやり取りを行います。


その際のポイントは「良し悪しの判断や意見は述べず、内容を解きほぐすことだけを目的にしてください」とAIに伝えておくことです。


1日10分でも日課にすれば、3か月で伝え方はかなり変わります。実際に続けた方が以前の自分のプロンプトを振り返ると、「これでは伝わらないわけだ」と驚かれることがとても多い。自分で気づけるようになれば、あとは自然と良い方向に進みます。


土台としての語彙力と国語の基礎

もう少し根っこの部分にも触れておきます。語彙力や言葉を正しく理解しているかどうかも、AIを使いこなす上では重要です。とくに「ふわっとした」「自然な」「○○風」のような、裏に多くの情報を含んだ言葉をうまく使えると、AIに渡せる情報量がまるで変わります。


たとえば画像生成AIで「ゴッホ風」と指示するだけで、ゴッホ独特のタッチや時代背景を反映した画像が出てきます。


わずか数文字に膨大な情報が圧縮されているわけです。文章でも「○○風」「これを目的として」といった抽象的な指示を適切に使い分けるだけで、結果は大きく変わります。基礎的な国語力——誤解のない文章の作り方や表現の引き出しの多さが、じわじわと大きな差になるのです。


私自身、20年前はデザイナーとして働いており、文章添削塾では10点中2点を取るような状態でした。そこからブログの執筆や発表、資料作成を続けるうちに大きく向上しました。国語力はいくつになっても伸ばせます。


中小企業こそ、一人ひとりのAI活用力を高める意味がある

中小企業は人手が限られるからこそ、一人ひとりの生産性向上が不可欠です。そのための道具として今もっとも可能性があるのがAIです。


全員がAIをうまく使える会社を目指せば、さまざまな課題が間接的に解決へ向かいます。


こうした力を身につけておくと、新しいAIツールやサービスが次々と登場しても振り回されなくなります。どのツールを使うかより、自分がどう使うかのほうがはるかに重要です。その確信が生まれると、AIに関するニュースに追い立てられる感覚も薄れていきます。


今回ご紹介した練習は1日5〜10分からで構いません。3か月、半年、1年と積み重ねれば、振り返ったときに驚くほどの変化を感じられるはずです。


もしAIの活用について、自社ではどのように進めればよいか相談したい、プロンプトを含めたアドバイスがほしいということがあれば、顧問サービスをはじめ各種サービスをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。


関連リンク

    G検定とは|一般社団法人日本ディープラーニング協会
    中小企業のDXに役立つ「手引き」と「AI導入ガイドブック」を取りまとめました|経済産業省
    一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)

よくある質問

AIのアウトプット品質を上げるには、プログラミングやシステムの知識が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。それよりも、自分の頭の中のイメージを具体的に言葉にする力と、相手に合わせて伝え方を変える力の2つが、アウトプットの質に直結します。営業職やカスタマーサポートの方が、きちんとコツをお伝えするとAIを上手に使いこなすケースは珍しくありません。
言語化力を鍛えるには、具体的に何をすればよいですか?
ニュースを題材にして、その背景や意味を具体的にまとめるトレーニングがおすすめです。また、街で何かを見て「いいな」と感じたとき、なぜそう思ったかを掘り下げてメモする習慣も効果があります。誰かに添削してもらえると、さらに伸びが早くなります。
AIをトレーニングの相手として使うことはできますか?
はい、AIのロールプレイ機能を使えば、さまざまな属性の相手を想定した伝え方の練習が可能です。また、自分の抽象的な思考をAIと一緒に言葉に落としていくワークも有効です。1日10分の継続で、3か月後には明らかな変化を実感できるでしょう。
国語力は大人になってからでも伸ばせるのですか?
はい、いくつからでも伸ばすことができます。この記事の筆者も、20年前はデザイナーとして文章添削で10点中2点を取る状態でしたが、ブログの執筆や発表、資料作成を継続することで大きく向上しました。年齢や職種に関係なく、練習すれば国語力は伸びます。
中小企業がAI活用力を高めると、どのような変化が期待できますか?
人手が限られる中小企業では、一人ひとりの生産性を高めることが不可欠です。全社員がAIをうまく使えるようになれば、業務効率が向上するだけでなく、新しいツールやサービスが登場しても振り回されない安定感が生まれます。5分や10分の日常的な練習から始めても、数か月後には大きな変化が出てきます。



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